財産分与の割合決定を行うタイミング

財産分与を請求する権利には期限があり、離婚が成立してから2年が過ぎてしまうと財産分与を請求できなくなってしまいます。そのため、離婚財産分与は離婚をするときに行うのが一般的です。

貯金や現金の財産分与は明確ですが、不動産や車などは売却したり名義を変えたりする必要があり、時間がかかります。2年は長いようでも新生活の準備などであっという間に過ぎてしまいますから、できるだけ早めに取り組むべきといえます。

離婚が成立するまでに、離婚財産分与だけでなく慰謝料や養育費などのすべての取り決めを済ませて、離婚公正証書を作成し最後に離婚届を提出できると理想的です。

財産分与が決定しても再度財産分与を請求することも可能

財産分与したくないという理由で、相手が財産を隠していることもあります。財産分与が決定した後に発覚した財産についても、財産分与を請求することが可能です。

未分与の財産に関しても請求期限は離婚が成立してから2年以内なので、財産が見つかったらすぐに必要な手続きを行うことをおすすめします。

扶養的財産分与を請求するタイミング

職歴がなかったり長い間専業主婦をしていたりすると、離婚後は経済的に不安定な状態になります。そのためこのような被扶養者側からは「扶養的財産分与」を請求できます。

扶養的財産分与が受け取れる期間は6ヶ月～3年なので、こちらについても早めに話し合いをしておいた方がよいでしょう。

不動産の財産分与の仕方

住宅ローンを完済していれば、不動産の財産分与はそれほどむずかしくありません。不動産を売却して売却額を折半する、どちらかが引き継ぎその不動産価値の半分にあたる現金を支払うなどの方法が可能です。

しかし、住宅ローンが残っている場合の財産分与は、不動産の価値とローン残高がポイントになり、状況によって財産分与の仕方が異なってきます。

アンダーローンの場合（ローン残高が不動産価値より少ない）

不動産を売却し売却額の一部で住宅ローンを完済し、売却額の残りを夫婦で分配します。売却せずに、どちらかが引き続き生活して住宅ローンを返済することも可能です。

ただし、住宅ローンは基本的に完済するまで名義変更ができないので、名義人が夫で名義人でない妻子が住んでも、夫が住宅ローンを支払うことになります。

オーバーローンの場合（ローン残高が不動産価値より多い）

不動産は経年劣化し価値が下がるので、売却しても住宅ローンを完済できないこともあります。この場合は、足りない分は手持ちの資金で支払うことになり、マイホームはただ手放す形になってしまうのです。

自己資金が足りない場合は、売却せずに住宅ローンを支払い続けるか任意売却かを選択します。

財産分与をする際は連帯保証人に注意

連帯保証人のままだと、主債務者のローン返済が滞った場合に、支払いを請求されるリスクがあります。そのため、離婚時に連帯保証人から抜けたいと主張するのも当然でしょう。しかし、連帯保証人になってくれる人を見つけることは容易ではなく、話し合いが進まずに膠着状態に陥ってしまうパターンも珍しくありません。不動産の財産分与において、連帯保証人変更の話し合いは長引く可能性があることを覚悟しておく必要があります。