相続相談の第一歩！八王子の法律事務所に聞く相続税の節税対策と申告期限

基礎控除の金額と計算方法

相続税の基礎控除額は「3,000万円＋（600万円×法定相続人の数）」で計算します。法定相続人には配偶者、子、父母などが含まれ、養子がいる場合は人数に制限があります。相続財産の総額がこの基礎控除額を超えない場合は、相続税はかからず、申告も不要です。この計算式は、相続人全員の非課税枠の合計額となります。

基礎控除を活用した節税対策

基礎控除を活用した節税対策としては、生前贈与が挙げられます。例えば、暦年贈与として年間110万円までを非課税で贈与する方法があります。この方法を活用することで、相続財産を減らし、将来の相続税の課税対象額を抑えることが可能です。また、不動産の評価額を下げることも、基礎控除の範囲に収めるための有効な手段の一つです。

相続税の申告義務について

相続財産の総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要になります。申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付が必要です。申告を怠ると、延滞税や無申告加算税といった追徴課税が発生するおそれがあります。

生前贈与の活用

相続税の負担を軽減する代表的な方法の一つが生前贈与です。贈与税には年間110万円の非課税枠があり、この範囲内で長期間にわたって贈与を続けることで、相続財産を少しずつ減らしていくことができます。

生前贈与が相続財産に加算される期間は、従来の「相続開始前3年」から段階的に見直しが進んでいます。原則、3年以内の贈与は加算対象ですが、令和5年度税制改正により、相続開始前7年以内の贈与が加算対象となる制度改正が導入されています（相続開始前3年を超える部分については各年一定額が加算除外となる仕組みあり）。適用時期や取扱いの詳細はケースにより異なるため、最新の法令・通達を前提に専門家へご相談ください。

特例の活用

配偶者の税額軽減や、小規模宅地等の特例など、相続税にはさまざまな特例があります。これらの特例を適用することで、相続税額を大きく減額できる可能性があります。ただし、適用には要件を満たす必要があり、専門的な判断が求められます。

遺言書の作成と遺産分割協議

遺言書を作成することで、相続財産を誰にどのように引き継がせるか明確にできます。これにより、遺産分割協議が円滑に進み、結果として相続税の節税につながることがあります。また、遺産分割協議を専門家と進めることで、後々のトラブルを回避できます。

相続税の申告期限

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。この期限内に申告と納税を完了させる必要があります。もし期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。早めに準備を始め、必要な書類をそろえ、専門家と連携することが大切です。

贈与の注意点

生前贈与は、相続財産を減らす有効な手段ですが、注意すべき点があります。例えば、相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与は、相続財産に加算されて相続税の対象となります。また、贈与が「贈与契約」として認められるためには、贈与する側と受ける側の合意があったことを証明できるように書面を作成しておくことが重要です。

相続放棄と相続税

相続放棄を検討する場合、その手続きは相続税の申告とは別に行う必要があります。相続放棄は、被相続人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。相続放棄をすると、その人は最初から相続人ではなかったものとみなされるため、相続財産も相続税の納税義務も引き継ぎません。

Q1：相続税の基礎控除額はどのように計算するのですか？

A1：相続税の基礎控除額は「3,000万円＋（600万円×法定相続人の数）」で計算します。この金額を超えなければ、原則として相続税の申告は不要です。

Q2：相続相談で弁護士にできる節税対策はどんなものがありますか？

A2：生前贈与や、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例といった制度の活用について、専門的なアドバイスをもらえます。遺言書作成や遺産分割協議を円滑に進めることも、結果的に節税につながります。

Q3：相続税の申告期限を過ぎてしまったらどうなりますか？

A3：申告期限である相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月を過ぎると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。早めの準備と手続きが重要です。